遊んでみた6

「ところでさぁ…」



『？』



「もうすぐ新学期なんだよなー…。春休みが引っ越しとか片づけでバタバタしてたから、すっかり忘れてたけど」



『やっぱり、寂しい？』



「そりゃあな。だって11年間住んできた場所をいきなり離れるなんて、普通夢にも思わないだろ？パパの仕事の都合じゃどうにもならない、仕方のないことだってわかってるけど、やっぱりメイルにデカオにやいと、みんなと遊べなくなるのは寂しいよなぁ」



『ボクは、電脳世界にいるからロールちゃんたちにはすぐに会いに行けるけど、熱斗くんはつらいよね…。現実世界にもワープホールがあればいいのにね』



「ホントだよなー…」



『でも熱斗くんなら、きっとまたこっちでもたくさん友達ができるって！元気出して！』



「そうだよな！いつまでも引きずってたら、デカオたちに笑われるよな。こっちの生活にも早く慣れていかないと。」



『大丈夫。同じニホンにいるんだから、秋原小のみんなとは会おうと思えばいつだって会えるよ。ゴールデンウイークあたりに企画してみたらどうかな。そうだ、今夜あたりみんなでチャット会でもしてみない？』



「おっ、いいなそれ！じゃあ早速メールうつから届けて来てくれよ、ロックマン！」



『了解！』

実は自分も熱斗と同じ境遇でした。
11歳まで慣れ親しんだ学校だったのに、いきなりの親の転勤。

なんであと1年待てないんだと親に抗議したこともあったけど、子供にはどうすることもできないんですよねー…。

なにがつらかったって、みんなで一緒に卒業できなかったことかなぁ。

6年には修学旅行も控えてたのにね。
ずっと積み立ててきた修学旅行費が全額戻ってきたときの寂しさと言ったら。


当時、転校生が入って来ると、代わりに転校していく人がそのクラスから出ると言われてたので、誰が転校するんだろうね～ってのんきに言ってたら、まさか自分がそうなるなんて思ってもみませんでした。


引っ越しのとき、クラスの子みんなが、遠いところからわざわざうちの家まで遊びに来てくれたのに、引っ越しの片づけでバタバタしていて、みんなと最後に遊ぶことができなくて。

それだけが心残り。


熱斗はああいう性格だから、引っ越し先でもすぐに馴染めたし、友達もたくさんできましたが、なかなか現実はそううまくはいかないもんなんですよねー。


自分の場合は最初「方言」にやたら苦労しましたが(苦笑)

な、なんのことを言ってるのかさっぱりわからん…！ってのが多かったなぁ。
友達と会話する中で、土地柄なのか、価値観や常識すらも全く違うってのがわかったんですけど、やっぱすぐになじむのは難しかったな～。


なんていうのを、この季節になるといつも思い出す。




ところでデカオってエグゼ3で一回アメロッパに引っ越してなかったっけ？

あれ？いつ戻ってきた？？？