割と内容に偏りがある日々の記録。
自由気ままに好きなこと綴ってます。
何もないところですがごゆっくりどうぞ。
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双子の日に描いた絵から、なんとなくイメージした小話をかいてみた。
突発だったから設定があまり練られていませんがそこは笑って許してください!
秋も深まり肌寒くなってきたある日の夕方、二人の少年が、科学省の近くにある川に沿った、きれいに整備された道を歩いていた。
あかね色の空が街並みを赤く染め、二人の影を長く長く落としている。
科学省のはるか向こうには、都会らしくいくつものビルが立ち並び、時代の最新鋭を担う重要都市であることを物語っている。
先ほどから歩く二人の表情は、どこか深刻そうであり、青いスーツに身を包んだ少年は、前を行く少年の後ろを歩きながら、普段はかぶっているはずのヘルメットを腕にかかえている。
いつもはおしゃべりな彼、光熱斗は、ずっと黙ったまま、先ほどまでの父親とのやりとりを思い出していた。
「コピーロイドから戻れない?」
緊急の用事だと、いきなり二人の息子に研究室に押し掛けられた祐一朗は、持っていた書類を思わず落としそうになる。
「うん。家でママの手伝いをしていたんだけど、オレがうっかり階段を踏み外しちゃったんだ。そしたらオレをかばって、ロックマンが手すりの角で頭をぶつけて・・・」
『コピーロイド本体には異常はないみたいなんだけど、ぶつけたことでヘルメットパーツがショートしちゃって・・・。かぶることもできないし、これは完全に故障かなって。』
「オレたちで原因を調べているうちにコピーロイドの稼働時間の限界が来たから、ロックマンをPETに戻そうとしたんだ。そしたら・・・」
「戻らない、と?」
「うん。」
PETにも戻せず、コピーロイドのバッテリーもつき、みるみるうちにただの人形と化してしまったロックマンの姿に、熱斗は慌てた。
とにもかくにも科学省にいる父親に、コピーロイドを見せに行かないといけないと考えたが、この人形を小学生一人で担いで行くには無理がある。
そこで秋原町中を駆け回り、補助バッテリーを持っている人を捜し当て、奇跡的にロックマンはコピーロイドに復帰したものの、そんなに長くはもたないだろうと、急いでここへ駆けつけたと言うことらしい。
「PETに戻れなくなるということは、おそらくプラグイン機能の故障かもしれないな。ほかのコピーロイドにデータ移動も不可能だろうから、まずはコピーロイドとヘッドパーツの連動プログラムから解析しないといけないが・・・。すぐに直してやりたいのはやまやまなんだが、生憎パパはこれからアメロッパにたたなくちゃならないんだ。3日後には必ず帰るから、それまでつらいだろうが辛抱してもらえないか。」
ロックマンのデータ量は普通のネットナビよりかなり重いから、補助バッテリーぐらいじゃまたすぐに切れるだろうと言って、祐一朗は科学省で緊急時に使うための大容量予備バッテリーをロックマンに渡した。
「大きくて重いが、とりあえずしばらくはこれで凌げるはずだ。家に帰ったら、電気の消耗を押さえるためにも、できるだけ動かずじっとしていてくれ。我慢できるか?ロックマン。」
『わかったよパパ。じっとしていればいいんだよね?』
「3日だ、3日後にはかならず飛んで帰るからな!」
二人の子供たちの頭をポンポンとなでたあと、助手であろう人物に急かされながら、祐一朗はまるで警察に連行でもされるかのごとくあっと言う間に連れていかれてしまった。
「3日かぁ・・・」
『熱斗くん?』
ようやく口を開いた熱斗に、ロックマンが後ろから声をかけた。
「3日もじっとしていられるか?」
『平気だよ。病気で自宅療養中、みたいなものだもの。』
まるでそんなのは慣れっこだと言わんばかりの表情に、熱斗はハッとして、思わず顔をそむける。
その仕草に、ロックマンもしまったと我に返り、視線を下に落とす。
「オレをかばったから・・・ごめんな」
『そんなことないよ!熱斗くんは何も悪くない!熱斗くんが無事で、本当によかったよ。』
「・・・ロックマンは、・・・兄さんはいつだってそうだ。」
『え?』
「なんでオレをかばうんだよ!いつだって大変な目にあうのは兄さんのほうじゃんか!自己犠牲なのも大概にしろよ!オレだって・・・オレだって心配なんだぞ!!」
『熱斗・・・』
「ごめん、こんなこと言いたいわけじゃないんだ・・・でも、あのとき、コピーロイドにいたはずのロックマンが、時間切れで姿が消えて、PETの中にもいなくて・・・。またオレのせいでって思ったんだ。もうオレは二度とおまえを失いたくないのに・・・。」
『・・・・・・。』
「だから・・・、だからっ!今度はオレに守らせてくれよ!頼むから!」
普段は見られないような真剣な眼差しで熱斗に肩をつかまれ、ロックマンは驚いた様子だったが、すぐに柔らかくほほえんで言葉を続ける。
『なに言ってるの。いつも守ってくれているのはきみのほうじゃない。ボクは、一人じゃなにもできない。きみと一緒だから、こうして毎日を楽しくすごせるんだ。それにね・・・』
「それに?」
「こういう状況下で言うのは不謹慎かなぁとも思うんだけど、今回はあまり動けないとはいえ3日も現実世界にいられるんだよ?いつも限られた時間しかいられないから、現実の空や太陽、木々の緑を感じたり、熱斗くんやママの生活ぶりをこの目で3日も見られるのは嬉しいなぁ、なんて・・・。あはっ、やっぱ駄目だよね!こんなこと考えているようじゃ。』
「ロックマン・・・」
クスクスと笑うロックマンを見ながら、意外にも彼が悲観的に考えてはいなかったと知って、熱斗は心の中でホッとしていた。
『あっ・・・でも、明日からは学校に付いていけないね・・・ごめんね?授業の準備とか、平気?』
「だいじょーぶだいじょーぶ!それぐらい自分でできるって!プロト事件のあと数ヶ月間は、ちゃんとオレ一人でやれてたんだぜ?」
夕日を見つめながら少し自慢げに言った熱斗の横顔は、ロックマンから見て確かに以前よりも少し成長した顔だった。
それがロックマンにとってはどこか寂しく感じられる瞬間でもあったが、彼は同時に熱斗の成長を素直に喜んだ。
『ボクがいないからって、授業中居眠りしちゃだめだよ?それから明日は掃除当番の日だから放課後忘れずにちゃんとやること!この間メイルちゃんが代わりにやってくれたみたいで、やいとちゃんが怒ってたって・・・』
「あーわかった、わかったから!だいじょうぶだって!それよりさ、帰ったらゲームしようぜゲーム!デカオに借りたゲームが対戦型だったから、一度ロックマンとやってみたかったんだ~!指先ぐらいなら動かしても問題ないだろ?なっ?」
『う、うん・・・まぁ・・・。でも宿題もちゃんと・・・』
「そうと決まれば早くかえろーぜ!」
いきなり手をぐいっとひっぱられて、うわあっと転びそうになりながらも付いていくロックマンは、小脇に抱えたヘルメットをぎゅっと握りしめながら、この時間がいつまでも続けばいいのにと、もう一度この日の赤く燃えるような夕日を見つめ目に焼き付けるのだった。
*********************************
結果的に全然双子の日関係ないですね。(ガーン)
いつもは話を考えたあとで絵を思い浮かべるので、絵が先行して、それに合う話を考えるっていうのは今回が初めてでした。
その絵の瞬間のビジョンは浮かんでも、全体の話の流れの中に組み込むのは、なかなか難しかったです。
プラグインアウト機能が壊れた状態で、コピーロイドでバッテリーが切れた場合って、中にいたナビのデータってどうなっちゃうんだろう、って考えるとちょっと怖くないですか。
録画中にいきなり停電になったら、中のデータがぶっとんだー!みたいな恐怖が。
なんとなくロックマンのヘルメットには重要な機能がつまってそうなイメージ。
胸のナビマークが心臓であるなら、ヘルメットは脳かな?
アニメ初期の、熱斗が駆けつけるとヘルメットの黄色の部分が光る設定が好きでした。
あの設定、後期なくなっちゃった気がするので残念。
普通のナビはコピーロイドに入ってもきっとヘルメット(ブルースのバイザーとか)は脱げないような気がするけど、ロックマンは彩斗兄さんだから、髪がちゃんと下に用意されてるので脱げるんだよ!ってことでどうかひとつ。m(_ _)m
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