誰か嘘だと言ってくれ

稲船さんのカプコン辞任のニュースを知って我が目を疑った｡

ttp://www.4gamer.net/games/084/G008467/20101029004/

以下個人的な感想｡







この記事を読めば読むほど､今回の辞任はもう仕方のないことだったんだろうなと思う｡

悩みに悩んで出した結論なんだと思う｡


だってDASH3を､｢こんな面白いことほかの奴にやらせへん！｣って言ってた人だよ？

誰よりもDASH3を待っていたのは稲船さんで｡

誰よりもロックマンシリーズを愛していたのも稲船さんで｡


｢何でこのタイミングで辞めるんだ｣って言う意見もあるだろうけど､DASH3の開発終了を待てないぐらいの､それだけ大きな事件だったんだよきっと｡


いつから辞めようと思っていたのかは具体的にはわからなかったけど､DASH3発表の動画を撮ってる時点で決まってたことなんだろうか？
あの笑顔が本当に嬉しそうで､念願叶った！と満面の笑みだったのに｡


DASHブログの氏のコメントを見ていると､DASH3を立ち上げて道を造ってあげるのが俺の仕事､辞める前に企画してなかったらDASH3の開発自体がなかった､って話から､前々からカプコンを辞める覚悟があったようにも取れる｡




ちょっと前にテレビでカプコンの特集があったじゃない｡
あれ､自分はその番組見れなくてあとで内容を人づてに聞いたんだけど､カプコンの経営方針は､数字数字で結果が全て､売り上げ重視だって言ってて､それ聞いたときに､根っからのクリエイター気質の稲船さんとはそりの合わなそうな方針だなぁと思ったんだよね｡


いや､カプコンはずっと前から雲行きはあやしかった｡
三上さんや神谷さんや稲葉さん､ほかにも古くから在籍していた優秀なクリエイターが､どんどんカプコンから抜けていって､サウンドの人やデザイナーの人もたくさんカプコン辞めてフリーになってたし｡
カプコンで生きていくってかなりしんどいのかなぁと｡


そんなにトップが次々辞めて行ってカプコン大丈夫なのか｡
稲船さんが最後の砦になるんじゃないか｡
いつかは稲船さんもいなくなっちゃうのかなと､そんな不安は前からあった｡






最近の氏のブログは､かなりつらそうな記事が多くて気になってたけど､念願のDASH3開発も決まったばかりなんだし､辛くてもモチベーションは保たれるんじゃないかと思ってた｡



ずっとやりたかった企画がようやく通ったのに､それを途中放棄せざるを得ない｡

そこまで追いつめておきながら､カプコン側の対応のなんとあっさりしたことか｡


下っ端がいくら上層部に掛け合ってもとりあってくれないって､社会に出れば誰でも経験することだけど､稲船さんほどの地位の人でもそれは変わらないのか…｡

最近自分がすごく悩んでたことの一つが､この記事の中にあって泣いた｡
世の中なんでこんなに不公平で理不尽なんだと｡
真面目が損をするなんてあっちゃいけないことなのに､なんでいつも辛い思いをするのが真面目な人間なんだと｡

悔しい､でもどうにもならない｡

それはあんなに地位も名誉もある人でも変えられないんだと泣くしかなかった｡





辞めるけど､今やってる仕事は責任もって最後まで仕上げるって話を､ な ぜ 蹴 っ た ん だ カ プ コ ン ！


そこが一番理解不能｡


稲船さんの手を離れたら､それはもう本来あるはずだったDASHじゃなくなるんだよ｡
稲船総指揮って看板下げるんだろうか｡



いや､DASH3はまだいいよ｡
元DASHスタッフがいるんだし､稲船さんも今後ブログから意見述べるって言ってくれてる｡

今回の件もあって､江口名人はきっと大変だろうと思うけど､頑張ってくれるに違いない｡



問題は他のシリーズ｡

ロックマンを初期からずっと見てきて､全体を把握しているでっかい大黒柱がなくなったら､この先のロックマンシリーズはどうなっちゃうんだろう｡


稲船さんだから売れた？

ロックマンだから売れた？

きっとどっちも必要なんだ｡

カプコンは稲船ブランドを軽んじてるけど､ロックマンが好きで､稲船さんの名前を知らない人はいないんじゃないかってぐらい､稲船さんの存在ってファンにとっては大きいのに｡

カプコンはそこを理解していない｡



稲船がいなくてもロックマンは出来る､売れると判断したから､カプコンは引きとめもせずに稲船さんを手放した｡


もしDASH3が売れたら､それが証明されてしまう｡
売れなければ､やっぱり稲船さんが必要なんじゃん！ってことにはなる｡

どっちにしたって､ファンにとっては複雑なことになるな…｡


でもDASH3スタッフには本気で頑張ってほしい｡
稲船さんの最後の一矢を無駄に終わらせないために｡





ゲーム業界のリーマン化問題｡

一番てっとり早いのは､固定給にしなきゃいい｡
完全出来高性にしてしまえば､働いた分だけしか給料出ないんだから､社員だって頑張らざるを得ない｡

今の日本の業界にはハングリー精神が足りてないんだと思う｡
給料保証されてるからってのらりくらり仕事する人間を､自分も山ほど見てきた｡
ずっとぬるま湯につかってるような社員ばかり(もちろんちゃんとした人もいるんだろうけど)そんな抱えてても､面白いものなんか出来るはずがない｡


カプコンぐらい大きい会社だと､すぐに給与体制や方針は変えられないだろうけど､いくらなんでも人件費はかかりすぎだろう｡
そんなんで､どうやって毎月会社を運営してるのか聞きたい｡

稲船さんは開発者であり経営者でもあるから､たくさん悩む事柄があったんだろうな…｡




この4gamerの記事を読んだあとで､ブログに書いていたことを読み返したら､なにをユーザーに伝えようとしていたのかがよくわかる｡

『知らなかったんだから教えてあげるよ』

あんなに業界の話を､清々しいぐらい洗いざらいぶっちゃけてくれる人は他にいないのに｡
もうあのブログが更新されることもないんだね…｡



まだまだ書きたかったことがあった気がするけど､思い出したらまた書く｡
打ってる間になに書こうとしてたかどんどん忘れちゃって｡
ケータイから打ってるからしんどい｡



今はとにかく､お疲れ様でしたと稲船さんに言いたい｡

そしてどうか､DASH3を最後まで見守ってあげてください｡