そこに私は眠ってなんかいません

人は死んだら､体から精神が離れ､マンガみたいにそこに魂が浮遊していたりはしない｡


お経がとなえられているあいだ､そんなことをぼんやり考えていました｡

頭ではわかっていても､やっぱりよく知っている人の死はとても悲しかったです｡
あの優しかったおじいちゃんの面影は遺体にはなく､かなりやせ細っていて､それだけでもう…｡

最期のお別れをして､霊柩車で運ばれ､遺体を焼かれ､骨を拾うまでの行程がとても､とてもつらかった｡



さっきまであった肉体が､数時間後に骨になって出てきたときは愕然としました｡
とても涙を我慢することができなかった｡


最後に会ったのはいつだろう｡
たとえ最後の瞬間に会えていたとしても､自分を孫だと認識もできなかっただろうけど｡


どうか､どうか覚えていてください｡孫の顔を｡
一緒に遊んだあの日々を｡

山へわらびを取りに行ったり､海へボートで魚を釣りに行ったり｡
たくさん遊んでもらったあの日は遠い昔だけど､つい最近のように感じる｡


大好きなおじいちゃん｡
自分も絶対忘れないよ｡
きっときっと忘れないから｡


プラモやジグソーパズルが好きだったおじいちゃん｡
アルコール弱いのに､つい呑み過ぎてしまうおじいちゃん｡
日曜大工が得意だったおじいちゃん｡

全部覚えておくから｡


最期まで何もしてあげられなくてごめんね｡


享年84才､どうか安らかに…｡